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【在来種保護】税金で猫3000頭が殺処分される? 奄美大島の”ノネコ管理計画”に動物保護団体が猛反発

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1 :2019/08/10(土) 14:03:53.68 ID:3XzAfHnR9.net

同管理計画では2027年までの計画がまとめられている。奄美大島にノネコ(野生化して山林などで暮らしており、野生動物のみを食べて生きている)は2015年時点で約600〜1200頭生息。絶滅危惧種で国の特別天然記念物に指定されているアマミノクロウサギなどの在来種を捕殺しているという。

奄美大島には本来、肉食性哺乳動物はおらず、ネコは人為的に持ち込まれて野生化したとされている。1979年、ハブとクマネズミ対策としてマングースが持ち込まれ、島内の生態系に大打撃を与えた。

駆除を続けた結果マングースは減少し、近年、在来種は回復傾向にある。環境省によると、奄美大島のアマミノクロウサギの生息数は2003年時点で約2000〜4800頭。2015年時点で約1万5000〜3万9000頭まで回復したと推定している。

環境省那覇自然環境事務所の担当者は、

「2003年の推定数は研究者が算出したもので、環境省としては2015年に試験的に調査を実施しました。クロウサギの推定は難しく、フンで確認します。ただ推定方法の精度に問題があり、現在改善に努めています。課題が改善したら正式な推定数を発表します」

と語る。アマミノクロウサギは増加しているものの、「アマミノクロウサギに限らず、在来種がノネコに捕食されています。個体減少に影響を与えていること自体が問題と考えています」と話す。

実際、ノネコの糞からケナガネズミ、アマミトゲネズミ、アマミノクロウサギなど在来種が計12種類、捕食されていることがわかっている。

「世界中でノネコが在来種の絶滅に関与していますが、捕獲に反対する人が多く中々うまくいっていないのが現状です。ノネコ駆除は急務ではないという意見もありますが、計画書はさまざまな意見を総合的に判断して作りました」(同担当者)

殺処分以外の方法はないのか。環境省とともに同計画書を作成した鹿児島5市町村では”ノラネコ”のTNRを行っている。TNRとは、飼い主のいないネコを捕獲し、避妊・去勢手術を施して元の場所へ返すことを指す。

人間の生活圏内に生息するノラネコと違い、森林に生息するノネコは有害鳥獣として駆除できる。法令上、ノネコとノラネコに明確な線引きはないが、同担当者は「ノネコにTNRは行いません」という。

「出来る限り譲渡に努めますが、譲渡先がなければ安楽死です。ノネコは希少動物の生息するエリアにいます。TNRを行っても、ネコは寿命が長いので在来種とってインパクトがあります」

計画では環境省が島内に設置した監視カメラの映像から、希少種の被害が大きい地域などで年間300〜360匹を目標にノネコを捕獲する。同計画は2018〜2017年の10年間に渡って行われ、単純計算で3000匹以上が捕獲される計算だ。

■「ノネコ管理計画はデータもわざと昔のものを使用することなど含め、根拠が曖昧」

こうした状況に対し、猫の殺処分ゼロを目指して無償でTNR活動を行う公益財団法人どうぶつ基金が反対を表明。「ノネコ管理計画について科学的調査に照らして妥当性を欠いている」と批判する。

同団体理事長の佐上邦久氏は、キャリコネニュースの取材に、

「現在アマミノクロウサギが増加しています。それなのに2015年時点で同省が把握していた推定生息数は全く配慮されていません。ウサギの頭数を低くプロパガンダし、あたかもノネコが在来種にとって脅威のように記し、ノネコ駆除に乗り出そうとしているのではないでしょうか」

と語る。アマミノクロウサギの増加は、マングースの駆除が功を奏したと考えられるという。

また環境省は2003〜2015年に奄美大島で「ノネコ捕獲モデル事業」を実施。同事業で2012年7頭(全頭安楽死)、2013年には6頭(全頭譲渡)捕獲している。学術研究や生態系保全の目的で2007〜2013年度にもノネコの捕獲を実施しているというが、佐上氏は捕獲頭数が少ないことから、「ネコは全く脅威になっていません」と訴える。

※中略

「ノネコの捕獲や殺処分を行う場合も、私達の税金が使われます。ネコはマングースと違って生態系を大きく狂わせているのでしょうか。税金で多くのネコを殺すことは本当に必要なのでしょうか」

と疑問視している。

2019.8.10 キャリコネ編集部
https://news.careerconnection.jp/?p=76593&page=2