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【たべもの】広島お好み焼き、世界制覇へ一歩 ハラル対応オタフクソースがイスラム教徒に爆発的売れ行き

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1 :2019/12/11(水) 00:19:21.86 ID:iak575us9.net

お好み焼きの味の決め手となる「ソース」。戒律で酒や豚肉などを口にできないイスラム教徒も安心して使えるハラル対応の商品をオタフクソース(広島市西区)が開発し、お好み焼きとともに東南アジアで支持を広げている。マレーシア工場で生産されたソースの売り上げは年間1億円に届く勢いだ。本場・広島の味は、世界の味になるのか。

■汗と涙のハラル認証取得

 「ハラル対応のソース作りは、材料探しから始まった」。開発の中心になった吉広空さん(35)は振り返る。

 1952年からお好み焼き用ソースを製造するオタフクソースが海外進出したのは約20年前。お好み焼きの作り方を広めながらソースを輸出し、2013年には中国・青島と米ロサンゼルスで工場を稼働した。どこの国でも手に入りやすい小麦粉やキャベツにそれぞれの土地の食材を加えて作れるため、お好み焼きをメインメニューにする飲食店は海外に約330軒あるという。

だが、マレーシアの人口の6割を占めるなどイスラム教徒が多い東南アジアに打って出るには課題があった。野菜と果実をベースに20種類の香辛料をブレンドするお好み焼き用ソースには、かすかな香りづけのためのアルコールや味に厚みを持たせる肉エキスも使われている。どうすれば宗教の壁を越えることができるのか。現地工場の稼働を半年後に控えた16年2月、吉広さんの挑戦が始まった。

 コストを抑えるため、原材料はマレーシアで入手できるものに限られる。現地と日本を月に1回以上往復し、材料の調達と試作、試食を繰り返した。試した材料は50種類。肉エキスの代わりにカツオとカキのうまみ成分を使い、アルコール成分が含まれていないかを厳密にチェックした。ソースの甘みとコクを出すためのデーツ(ナツメヤシ)は使い勝手の良さを重視し、日本で使っているのとは違う果汁タイプに決めた。甘みに奥行きを持たせるためブラウンシュガーも加えた。「日本のソースに近く、現地人が好む全体的に濃いめでかつ甘口」のソースが完成したのは、工場が稼働する1カ月前だった。

■爆発的売れ行き

 基準が厳しいことで知られるマレーシアの政府機関による原材料や製造工程の審査を経て17年3月、イスラム教徒が安心して食べられることを示す「ハラル認証」を取得した。17年夏に開かれた現地日本人会主催の盆踊り大会で、オタフクソースが「ハラル」と掲げたお好み焼き店を出すと評判を呼び、ソースは飲食店で現地料理の揚げ物にも使われるようになった。

 マレーシア工場で生産できるお好みソースは年間約31万リットル(18年)と日本国内の100分の1だが、イスラム教徒が多いインドネシアやブルネイにも輸出され、今年9月までの1年間の売り上げは前年同期の1・6倍の9280万円に達した。国際事業本部長の宮田裕也さん(50)は「需要に供給が追いつかない状態です」。二つ目の工場をつくる計画もある。

 9月までの海外の年間売上高は21億円で、全体に占める割合は8%に過ぎない。飲食店向けの業務用だけでなく、家庭向けの販路拡大を見据えてお好み焼きの作り方を指南する教室も開いており、宮田さんは「お好み焼きを世界で食べられるボーダーレスフードにしたい」と話している。

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20191209/k00/00m/040/097000c