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【研究】科学が示す「コロナ長期化」という確実な将来

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1 :2020/04/22(水) 09:17:26 ID:iA1K4vmc9.net

 新型コロナウイルスは、いったん感染拡大が鈍化しても、第2波や第3波が来て必ず長期化する――。そんな見通しが国民の間にも浸透してきた。アメリカのハーバード大学のチームは最近、「外出制限は2022年まで必要になる」との予測を公表し、内外で大きな関心を集めた。

 これらは何を根拠とした予測なのだろうか。日本政府の専門家会議のメンバーである北海道大学の西浦博教授など世界の専門家がこぞって活用するのが、感染症疫学の数理モデルだ。一見して難解そうだが、実は基本的なメカニズムはそんなに難しくない。

 今後の感染の行方を合理的に判断するためには、その基本を押さえておく必要がある。新型コロナに対する有効なワクチンが実用化される時期ははっきりしないため、現在のような生活は、今後1〜2年は続くと覚悟しておいたほうがよい。だが、感染推移のメカニズムを知れば、われわれはどのような取り組みを進めていくことが有効なのかも見えてくる。

■基本は3つの数字を覚えるだけ

 基本的な数理モデルでは、たった3つの変数を覚えるだけでいい。それは「基本再生産数」「実効再生産数」「集団免疫率」だ。

 順に見ていこう。

 基本再生産数とは、「ある感染者が、その感染症の免疫をまったく持たない人の集団に入ったとき、感染力を失うまでに平均で何人を直接感染させるか」を指す。

 新型コロナでは、1人の感染者は平均で直接1.4〜2.5人を感染させると、WHO(世界保健機関)は暫定的に見ている(基本再生産数1.4〜2.5)。これは8〜10の水痘(水ぼうそう)や16〜21の麻疹(はしか)と比べて低く、2〜3のインフルエンザ並みと言える。

 注意すべきは、基本再生産数はわれわれが何も対策を取らなかった場合の数値であることだ。いってみれば、病原体の素の感染力を示す。

 これに対して、手洗いやうがい、人々の接触削減といった対策が取られれば、1人の感染者が実際に直接感染させる人数が減るのは当然だ。こうした実際の再生産数のことを実効再生産数という。

 政府の専門家会議によると、今年3月下旬の東京都の実効再生産数は1.7と推計された。香港や英国の大学のチームによると、一足早く感染爆発を起こした欧米諸国の多くは3月中旬ごろ、実効再生産数が2〜4程度だった。

 実効再生産数が基本再生産数を上回る状況は、計測上の誤差のほか、集団感染のような感染拡大を加速させる要因があったものと考えられる。

 実効再生産数で重要なのは、それが1を下回るかどうかだ。なぜなら、1人の感染者から実際に直接感染する人が1人未満となれば、それは新規感染者数が減ることを意味するからだ。言い換えれば、「新規感染者数が減少に転じる」というのは、「実効再生産数が1を下回ったとき」のことを指す。

 ここまでは比較的イメージしやすいものだった。だが、3つ目の変数である「集団免疫率」はもう少しかみ砕いて説明する必要がある。

 接触削減などの対策のほかに、実はもう一つ、実効再生産数を低下させることのできるものがある。それは、集団免疫だ。

 人間は感染から回復した後、免疫を獲得する。それによって、その病原体によって再度発症することはまれになる(病原体によって、免疫の強弱、効力の期間などに違いはある)。感染拡大が進むということは、この免疫を持つ既感染者が増えることを意味する。

■既感染者が新規感染を遮断する

 集団の中に既感染者がいると、彼らは未感染者にとって盾の役割を果たし、未感染者と感染者が接触する機会を減少させることになる。そのため、既感染者の増加とともに、実効再生産数は自然と低下していくことが経験上知られている。こうした既感染者による未感染者の保護効果のことを集団免疫と呼ぶ。

 ここでも重要なのは、実効再生産数が1未満になるかどうかである。集団における既感染者の比率が高まれば高まるほど、実効再生産数は低下していき、最終的にはゼロ(新規感染ゼロ)になる。そして、実効再生産数が1に到達するときの集団における既感染者の比率のことを集団免疫率と呼ぶ。

 集団免疫率は、集団免疫の効果を除いた当初の実効再生産数に応じて数値が異なってくる。実効再生産数がいくつであっても、集団免疫による数値の低下は同じように起こるが、もともとの実効再生産数が小さければ小さいほど(つまり1に近い)、早く1に到達するのは自明だろう。そのため、実効再生産数が小さいほど、集団免疫率は小さくて済む。

続きはソースで
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200422-00345872-toyo-bus_all