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「鬼滅」「あつ森」「五輪行進」世界はなぜ日本カルチャーに夢中か

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1 :2021/08/12(木) 07:49:22.83 ID:CAP_USER9.net

日経ビジネス 8/10
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/080400251/

マンガとゲームが彩ったオリンピック開会式
 7月23日に行われた東京2020オリンピック開会式は、日本国内では直前までごたごた続きだったせいで賛否両論だが、私の見るところ、世界では評価する向きが多い。私はと言えば、ピクトグラムの演技に笑い、ドローン演出に圧倒され、聖火台に点火した大坂なおみ選手の姿に感動した。

 海外、特にSNS(交流ソフト)上で一番評価されたのは選手の入場行進であり、その音楽だ。世界中の選手たちがマンガの吹き出し風のプラカードの先導で行進するとき、「ドラゴンクエスト」のテーマを筆頭に、「モンスターハンター」や「ファイナルファンタジー」など世界的にヒットした日本のテレビゲームの名曲がオーケストラ演奏で流れた。

 これにはゲーム愛好者だけでなく、お堅い米ワシントン・ポスト紙さえ「オリンピックとゲームの音楽のペアリングはもっともだ」とコラムニストが書いて絶賛している。「若い選手にとって、好きなゲームの音楽を聴きながら入場できたのは、夢がかなったような体験だったに違いない」。これは東京五輪の遺産として語り継がれるはずだ。

 日本のゲーム音楽に世界の人々が興奮するのは、不思議でも何でもない。近年、日本は様々なポップカルチャーの輸出大国になっているからだ。

 そのルーツは1970年代後半に遡る。戦後の高度経済成長期に、日本はラジオや家電、自動車などを輸出して経済大国になった。とはいえ、これらはあくまで必需品であり、当初は欧米の製品を価格の安さで圧倒して輸出されていた。

 文化的な商品は必需品とは違う性質を持っている。価格ではなく、あくまでアイデアで競争するものだ。そして最初の世界的なヒットとなった文化的な日本製品はテレビゲームだった。

任天堂ファミコンで世界を取り、Xboxで奪われる
 世界初のアーケードゲームは1971年に米国企業が発売している。ところが、1970年代後半から日本のゲームメーカーが「スペースインベーダー」など次々と世界的なヒットを飛ばした。このあたりの歴史については、著書『新ジャポニズム産業史 1945-2020』に詳しく記したが、その後、テレビゲームが開発され、若者の余暇を変革する。

 1985年に米国で販売されたニンテンドー・エンターテインメント・システム(NES、日本名「ファミリーコンピューター」)と89年発売の「ゲームボーイ」が大成功を収めた。1993年の調査では、米国の子どもたちの間で、あのマリオの人気度がミッキーマウスをはるかに上回った。日本製のゲームは21世紀までに世界のゲーム市場を制覇した。

 ところが2001年には、マイクロソフトのXboxが日本のゲーム機を凌駕(りょうが)した。21世紀の初頭になると、海外のゲーム会社は戦争シミュレーションや1人称視点シューティングゲームを開発して大ヒットを飛ばし、日本の優しいファンタジーに取って代わった。

 だが、新型コロナウイルス禍でそんな状況が一変する。世界は再び日本のゲームに回帰しているようだ。一体、何が起きたのだろう。

世界的パンデミックが日本製ゲームの追い風に
 人類史に残るパンデミックに直面して、世界の文化的状況は一変した。日本の非常事態宣言や欧米のロックダウンなどで日常生活が大幅に制限された人々は、映画館にもコンサートにも行くことができなくなった。

 その結果、現実逃避へと向かった。

 外出したり人と交流したりできない中、独りで空想に浸るようになるのは仕方がない。コロナ不況に直撃された業界は多いが、ゲーム、書籍、コミック、ストリーミング映像サービスなど、現実からの逃避を促す業界はしっかり収益を上げている。家から出かける代わりに、自分の内面に集中して、つまり活発な精神生活や夢を育てる傾向が強くなる。これは世界的な傾向だ。

 現在、世界で最も人気のある「逃避商品」の大半が、メイド・イン・ジャパンであることをご存じだろうか。その代表例が、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)というゲームだ。発売は2020年3月20日。世界中で新型コロナウイルス感染者数が爆発的に増加した感染第1波の真っ最中のことで、当初このゲームの売れ行き見通しは厳しいものだった。

 ところが、記録的な大ヒットとなり、年末までになんと全世界で3263万本を売り上げた。かわいい動物キャラクターに囲まれながら自分の理想的な世界をつくったり、ネットで友達と共有できたりするのは、巣ごもりしている人類の交流欲求を抜群に満足させたのである。

(一部略)