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【お笑い】『エンタの神様』特番で過剰に感じた「笑い声の付け足し」、その演出の必要性と問題点

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1 :2022/05/09(月) 13:05:06.11 ID:CAP_USER9.net

Yahoo!ニュース5/9(月) 6:31
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanabeyuki/20220509-00295176

バラエティ特番『エンタの神様 大爆笑の最強ネタ大大連発SP』(日本テレビ系)が5月8日に放送された。

2010年にレギュラー放送が終了してからは特番となっており、今回のオンエアは2021年12月29日以来。そんな『エンタの神様』であらためて着目したいのが、「笑い声を付け足す演出」についてである。

■ニューヨークのコント、警官姿の屋敷が登場しただけで「笑い声」
もともと同番組では、笑い声の音声素材を編集時に付け足して盛りあがりを演出する「録音笑い」が目立っており、以前から否定的な意見も多数挙がっていた。

この「録音笑い」は海外のシチュエーションコメディほか、日本でも『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)など昔からおなじみの手法である。ただ今回の『エンタの神様』特番での笑い声の演出は、いつも以上に過剰に感じるところが多かったのではないか。

たとえばニューヨークのコント。スピード違反を犯した高級車の持ち主に対して「詐欺を働いているのではないか」と突っかかる警察官のネタだが、屋敷裕政が警官姿で登場しただけで笑い声があがったところは、やや違和感があった(ライブでは確かにそこで笑いが起きてはいるのだが)。

また、さらば青春の光の「超イライラする店」では森田哲矢が「店の入口で10分待たされた」とボヤくだけで沸き、蛙亭の「マッチングアプリ」にいたっては中野周平があらわれてからずっと爆笑が続いた。ほかにも多くの芸人のネタで、前フリと思われる箇所ですでに大きな笑いが起きる状況だった。

ひたすら笑い声が重ねられる演出の問題点は、そのネタの起伏や情緒が感じられなくなるところ。本当におもしろいポイントがぼやけて見えてしまうのだ。

「なにかが起きそう」とワクワクする段階で作為的に笑い声が仕掛けられ、それが視聴者にとってノイズになってしまう。また笑い声がシャットアウト気味に萎むことで、笑いの余韻も失われる。

本当におもしろいネタは、そういった演出すら凌駕するのかもしれない。それでも、今回の『エンタの神様』の演出に関しては各ネタの本質がつかみづらくなってしまった。

(中略)
■『エンタ』の問題点は「笑いどころの見極め」がなされていないところ
ダウンタウンの松本人志は2013年6月5日にTwitterで、笑い声を付け足す演出について「車で矢印信号がでるまで曲がれない人がいるように何処で笑えば良いか分からない人が約90パーセントいると言われています。あっ。思っています」と投稿。その演出が、視聴者のガイドラインになっていると分析した。

『エンタの神様』のように、レギュラー放送時は22時、今回の特番も19時から放送が開始され、お笑いに詳しいファンだけではなく、子どもからお年寄りまで幅広い層が番組を観ることも考えれば、こういった演出も必要なのかもしれない。また、新型コロナの影響で無観客であることも番組制作側としては悩みどころだろう。現状を踏まえると、より一層「録音笑い」に頼りたくなる気持ちも理解できる。

ただ特番で疑問だったのは、ウケを狙っているわけではなさそうな部分でも過剰に笑い声が付け足されていたことである。同演出への否定的な反応の原因は、「ネタの笑いどころの見極め」がしっかりなされていない点ではないだろうか。

テレビ制作側が仕込む、昔ながらの「録音笑い」はいつまで使われるのか。それが変わることはないのか。そして今後、「反応の演出」はどのように進化していくのだろうか。いろんなアイデアが出ることに期待しながら、各番組を観ていきたい。

田辺ユウキ・芸能ライター

※長文の為一部略。全文はリンク先で。