1 :2021/04/11(日) 13:22:24.68 ID:3P/cQjqP0●.net
コロナ禍の中でもカラオケ喫茶を楽しむ人たちがいる。感染例が報告されても、思わず足が向く。なぜ、ここまで引きつけられるのか。経営側も利用者も、感染対策に力を入れているという店を訪れてみた。(山口啓太、藤野隆晃)
7日昼、広さ20畳弱の東京都内のカラオケ喫茶。飛沫(ひまつ)防止フィルムで一席ずつ区切られたコの字形のソファには、
高齢の男女約10人が座っていた。歌う人は、前に出てマイクを握る。ここにも透明なついたてが置かれている。業界団体はマスクを着用して歌うことを呼びかけているが、外して歌う人が多かった。
曲の合間に会話する人はほとんどない。昭和のヒット曲「船頭可愛や」やゆずの「栄光の架橋」などが歌い上げられると、拍手が起きた。
この店では、検温や消毒はもちろん、マイクは1人1本にして、外につながるダクトも新設。二酸化炭素濃度を測る機器も置いた。看板は出さず、来店するのは予約した常連客中心だ。
カラオケ喫茶ではこれまで、北は北海道、南は九州まで各地でクラスター(感染者集団)が報告された。狭い空間、共有されるマイク、大きな歌声……。様々な原因が考えられ、高齢者の感染も数多く確認されているが、この店の利用者では今のところ、感染者はいないという。
ここまで対策を施してでも集いたい。場を提供したい。その理由は何だろう。
「お客同士で近況報告をするのが生きがい。みんなもそうだと思うよ」。通って3年ほどという70代男性はその理由をこう語った。「みんなが歌を聞いてくれるのが楽しい。ここに来て若さを保っているんだ」
75歳の女性は4年前にひざを手術し、好きだったダンスができなくなったため訪れるようになった。コロナ禍で旅行にもいけず、「年をとるとこういう楽しみしかなくなる」と言う。「感染する怖さはあるけれど、店の対策を見てここなら大丈夫だろうと思った。ここが生きがいなの」。表情を和ませた。
60代の男性オーナーは、常連客の「ここがなくなったら行くとこがない。頑張って」という言葉に背中を押されている。