韓国「慰安婦訴訟の賠償金とるから韓国内にある資産のリストを提出しろ」

元慰安婦らが日本政府に賠償を求め勝訴が確定した裁判をめぐり、韓国のソウル中央地裁が、賠償金差し押さえのため日本政府に韓国にある資産のリストを提出するよう命じる決定を出していたことが分かった。原告側弁護士が１５日、明らかにした。決定は９日付。

　地裁は今年１月、国家は他国の裁判権に服さないとする国際法上の「主権免除」を認めず日本政府に賠償を命じた。主権免除を主張し審理に出席しなかった日本政府は控訴せず、判決が確定した。
　これに対し、３月、同地裁は被告側が負担するとされた訴訟費用確保に向けた日本政府の資産差し押さえに関し、国際法に違反するとして、認めない決定を下した。
　今回は１月の判断に戻った形で、「強制執行実施後に発生しうる対日関係の悪化、国家間の緊張は外交権を管轄する行政府の領域で、司法の領域を外れている」として考慮しない考えを表明。「強制執行の申請が（国内法を理由に条約の不履行を正当化できないとした）ウィーン条約に反していると言えない」と指摘し、「主権免除の例外に当たる」と判断した。
　いずれも同じ裁判所だが異なる裁判官。元徴用工や元慰安婦の訴訟では最近、裁判官によって異なる判断が相次いでいる。
　日本政府はリスト提出に応じないとみられる。
　一方、原告側は１４日、訴訟費用差し押さえを認めなかった３月の決定を不服として抗告した。

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