最新記事(外部)
お勧め記事(外部)

【食の危機】「日本から“ワサビ”が消えるかもしれない」 最大産地で生産量が半減、米紙が見た日本の「ワサビ危機」

スポンサーリンク

1 :2022/02/21(月) 20:43:19.31 ID:StiCuqdL9.net

https://news.yahoo.co.jp/articles/d2a33c8e2404f846f52d654c19d11d171fb38c67

 日本一のワサビ産地である静岡県では、ここ10年でワサビの生産量が半分以下になった。
地元の生産者たちが抱える問題の数々を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。

■ワサビ栽培に山積する問題
浅田充康はこの30年間、山の斜面にある青々としたワサビ田を、誇りをもって管理してきた。ここは、彼の父と祖父がワサビを育ててきた場所でもある。
しかし、まだ56歳という年齢で、浅田はすでに引退を考えている。
寿司や蕎麦に必須の薬味であり、日本食に欠かすことのできないワサビは現在、多くの危機に直面しており、浅田はそれに疲れ果てているのだ。

気温の上昇により、浅田の育てるワサビはカビに弱くなり、腐りやすくなった。
予測できない降水や豪雨による洪水、威力を増す台風などが、浅田を悩ませている。
彼のワサビ田を見下ろす位置にある鬱蒼としたスギ林は、戦後の林業政策の遺物だが、ワサビの生育に必要な湧き水の質を損ねている。
標高の高い場所で栄養のある食べ物を得られなくなったイノシシやシカが山から降りてきて、ワサビ田を荒らすことも増えた。

それに、浅田の2人の娘は成人して結婚しているが、静岡県伊豆市にある約6070平方メートルのワサビ田を継ぐ気はないようだ。
「後を継ぐ人がいなければ、終わりですよね」と浅田は言う。

日本でワサビの栽培が特に盛んな地域の一つである静岡県には、浅田の他にも多くのワサビ農家がいる。
彼らは皆、地球温暖化や放置された山林、そして若者の減少によって増え続ける課題と向き合わなければならない。
こうした問題はすでに、この地域で何世紀も続いてきたワサビ栽培の文化を蝕み、県の主要な農産物と観光の柱としての未来を暗くしているのだ。
農林水産省によると、この10年間で静岡県のワサビの生産量は55%近くも減少している。

静岡でワサビの加工を行い、チューブワサビやドレッシング、ワサビ塩、ワサビ漬け、ワサビチョコレートなども販売する創業147年の田丸屋の望月啓行社長は
「危機感を抱いています」と話す。
「日本の食文化を守っていくために、ワサビを守ることは大事なのです」