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領土問題で中韓の主張を掲載しない新教科書 私たちが育てるべきは身びいきサポーターではない

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1:XpV8FL50tY 2014/04/06(日)02:31:33 ID:gh7zv5ySm

領土の教育―冷静に、しっかりと
朝日新聞社説 2014年4月5日02時05分
 おなじ取りあげるならもっとしっかり書いてはどうか。
 来春から小学校で使われる社会の教科書で、各教科書会社がそろって竹島と尖閣諸島の領有権問題を扱った。09年度の前回教科書検定のときは1冊だけだったから、大幅な増加だ。
 だがどの本も、竹島・尖閣は日本固有の領土だが「韓国が不法に占拠している」「中国が領有を主張している」と、政府見解をなぞった程度の書き方だ。対立の背景や、双方の主張の根拠には踏み込んでいない。
 「子どもがこれを読んで領土問題を理解できるか」という肝心な視点が置き去りにされてはいないだろうか。
 尖閣について「政府は解決に向けて努力を続けている」と書こうとした教科書には、検定で「尖閣に解決すべき領有権の問題は存在しない、というのが政府の立場だ」と物言いがつき、このくだりは削られた。
 問題が存在しないならなぜ争っているのか、中国は何を根拠に領有を主張しているのか、子どもたちはちんぷんかんぷんに違いない。
 政府見解だけ教科書に載せ、「竹島も尖閣も固有の領土だ」と身内の結束を確かめあったところで、国際社会を説得できなくては問題は解決しない。審判に背を向け、応援席に声援を求めるようなものだ。
 私たちが育てるべきは身びいきなサポーターではなく、問題の解決に動くプレーヤーであるはずだ。双方の主張をふまえ、自分の頭で冷静に考えられる力を養うことをめざしたい。
 領土をめぐる対立は、戦争や植民地支配の歴史や、資源をめぐる思惑が絡みついた厄介な問題だ。たとえば尖閣について、中国は「日清戦争に乗じて奪われた」と主張し、日本は「中国は戦後も1971年まで異議を唱えていなかったのだから、おかしい」と指摘している。
 数行の記述ですませず、もう少し紙幅を割いてこうした双方の言い分の要点も紹介した方が子どもたちも解決の難しさを想像しやすいだろう。
 教科書のページが足りなければ資料集に盛り込んでもいい。新聞や図書館の本を使った調べ学習に導く注釈をつけるのも手だ。教師も教科書をおぎなう教え方を工夫してほしい。
 教科書に政府見解を書かせるルールができたとはいえ、異論の紹介はもちろんできる。奥歯に物の挟まったような書き方をする必要はない。知識は客観的に教え、そのうえで自分で考えさせる。そうでなくては意見を言える子に育つまい。
http://www.asahi.com/articles/ASG443D0ZG44USPT001.html?ref=reca