【籠池記者会見】「国策による勾留で妻はえん罪だ」　財務省の決裁文書改ざんは「国民への背信だ」

森友学園をめぐる事件で１０か月近く勾留され、２５日保釈された学園の前の理事長の籠池泰典被告と妻が記者会見し、前理事長は「国策による勾留で妻はえん罪だ」と述べたうえで財務省の決裁文書の改ざんなどについては「国民への背信だ」と話しました。

森友学園の前の理事長の籠池泰典被告（６５）と妻の諄子被告（６１）は補助金をだまし取ったなどとして起訴され、１０か月近く大阪拘置所に勾留されましたが、裁判所が保釈を認め、２５日午後５時すぎに保釈されました。
２人は２５日夜８時から大阪市内で記者会見し、はじめに籠池前理事長は「１０か月、拘置所に入っていて体力も弱くなり足腰が立たなくなった。国策による勾留だと認識している。妻はえん罪で人権をじゅうりんされた」と述べました。
その後、書面を読み上げ「一連の事件や騒動により、ご心配をおかけした園児の保護者、教職員、支援いただいた皆様に心より深くおわびする」とし、「私たちが起訴された案件は裁判の準備中で、現時点で詳細を話すのは控えたい。
国会で激しい論戦が続いているが、１０か月間、社会から隔離され現在の状況を把握しかねているので具体的なコメントは控えたい」と述べました。

国有地の取り引きに関する財務省の決裁文書が改ざんされたり、学園側との交渉記録が意図的に廃棄されたりしていた問題については「今も改ざんがあるのではないか。公文書は国民の財産で国家公務員が絶対にすべきことではなく、国民に対する背信だ」と語気を強めました。
安倍総理大臣が否定している、昭恵夫人の国有地の取り引きへの影響については、去年３月に「政治的な関与があったと認識している」とした証人喚問に触れ、「私が国会での証人喚問で話したことは虚偽ではない。そのように認識してほしい」と述べたほか、安倍総理大臣については「しっかり本当のことを正々堂々と伝達・報告すべきだ」と話しました。
そして、大阪地検特捜部が国有地の値引きや文書の改ざんについて国の担当者の刑事責任を問えるかどうか、捜査を続けていることに対しては「国会や検察庁でどのように進んでいるのか知らないので、なんとも答えることができない」と述べるにとどまりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180525/k10011453201000.html?utm_int=news_contents_news-main_002